説明

本講座(収録70分)は、研究・非臨床(薬物動態・安全性)の担当者、薬事・信頼性保証・品質保証の方、非臨床データを読んで判断する立場の方に向けて、オルガノイドやMPSといった新しい試験法を規制の枠組みの中でどう扱うかを体系的に整理する入門講座です。まず非臨床試験の目的を確認し、動物試験で分かること・分かりにくいことを対比したうえで、3Rの国内法上の根拠である動物愛護管理法第41条を条文に沿って押さえます。代替法・NAMs・オルガノイド・MPSという用語を整理し、新しい試験法が扱う3つの問い、in vitroの結果を生体に外挿するという考え方も確認します。続いて「規制で受け入れられる」とはどういうことかを解きほぐし、妥当性確認と規制上の適格性認定の違い、使用目的と使用条件を先に決めるContext of Useの考え方、妥当性確認で確かめること、誰が何を判断するのかという役割分担、OECDとISOという国際標準化の道筋を扱います。各極の動向としては、米国の法律の段階の読み分け、FDAのロードマップ、特定の使用目的に限って認める仕組み、NAMsの使用に関するガイダンス案、欧州の指令とEMAの体制、当局間で議論する枠組み、日本ではどの制度の中で扱われるか、そして動向を読むときに混ぜてはいけないものを整理します。さらにデータの信頼性として、GLP省令第2条の試験系に何が含まれるか、施行規則第43条の申請資料の信頼性、第11条の標準操作手順書、第16条の生データ、試験系そのものの適格性、再現性と堅牢性の示し方を扱い、肝毒性評価にMPSを使いたいと言われた場面をケースとして確認します。
講座のポイント
技術の新規性だけでは、規制判断の根拠になりません。オルガノイドやMPSを非臨床の判断に使うには「①何を測るのか ②どこまで確かめたか ③誰がどの範囲で標準化・評価するのか ④何を記録に残すのか」の4つがそろう必要があります。しかも受け入れは試験法そのものではなく「使い方」に対して与えられます。本講座(収録70分)は、3Rの国内法上の根拠から、妥当性確認と規制上の適格性認定の違い、各極の動向、GLP省令・施行規則第43条によるデータの信頼性まで解説します。
収録内容
■第1章 なぜ動物実験に代わる方法が求められるのか
・非臨床試験は何のために行うのか/動物試験で分かること・分かりにくいこと
・3R の国内法上の根拠(動物愛護管理法 第41条)/用語の整理 ― 代替法・NAMs・オルガノイド・MPS
・新しい試験法が扱う3つの問い/in vitro の結果を生体に外挿するという考え方
■第2章 試験法が規制で受け入れられるまで
・「規制で受け入れられる」とはどういうことか/妥当性確認と規制上の適格性認定
・使用目的と使用条件を先に決める(Context of Use)/妥当性確認で確かめること
・誰が何を判断するのか/国際標準化の道筋 ― OECD/ISO
■第3章 各極の動向
・米国 ― 法律の段階を分けて読む/FDA のロードマップ/特定の使用目的に限って認める仕組み
・米国 ― NAMs の使用に関するガイダンス案/欧州 ― 指令と EMA の体制
・当局間で議論する枠組み/日本 ― どの制度の中で扱われるか/動向を読むときに混ぜてはいけないもの
■第4章 データの信頼性をどう担保するか
・GLP省令の「試験系」に何が含まれるか(第2条)/申請資料の信頼性の基準(施行規則 第43条)
・標準操作手順書に何を書くか(第11条)/生データとは何か(第16条)
・試験系そのものの適格性/再現性と堅牢性をどう示すか/ケース:肝毒性の評価に MPS を使いたいと言われたら
■第5章 実務での進め方
・目的から決める ― 何の判断に使うのか/置き換えるのか、足すのか
・既存の試験との比較をどう設計するか/当局との相談をどう使うか
・残す文書と記録
■第6章 まとめ
・本教材のまとめ(第1〜5章の要点)/終章:参考文献と出典一覧
受講後、習得できること
・非臨床試験の目的を「動物を使うこと」から切り離して説明できる
・3Rの国内法上の根拠(動物愛護管理法 第41条)を条文レベルで示せる
・第1項と第2項で規定の強さが異なることを説明できる
・代替法・NAMs・オルガノイド・MPS・Organ-on-Chipの範囲の違いを整理できる
・in vitro の結果を生体に外挿する手順と、各段階の仮定の記録の必要性を説明できる
・規制上の「受け入れ」が試験法ではなく使い方に与えられることを説明できる
・妥当性確認(validation)と規制上の適格性認定(qualification)を切り分けられる
・Context of Use(COU)を書き下し、確認の範囲を決められる
・妥当性確認で確かめる項目(再現性・堅牢性・感度と特異度・既知データとの一致・限界)を挙げられる
・OECDとISOの標準化の道筋と、当局の判断との違いを説明できる
・米国の法律・法案・政策文書の段階を混ぜずに読める
・FDAのNAMsドラフトガイダンスの4原則を自社の準備に対応づけられる
・GLP省令の試験系の定義に細胞・組織が当たり得ることを説明できる
・施行規則 第43条が試験法を問わず適用されることを踏まえて記録を設計できる
・何が生データかを試験開始前に定め、系の合格基準を先に決められる
・「置き換える・減らす・足す」で必要な根拠の量が変わることを説明できる
本テーマ関連法規・ガイドラインなど
・動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)第41条第1項〜第4項(科学上の利用に供する場合の方法、事後措置等)
・GLP省令(平成9年3月26日 厚生省令第21号/最終改正=令和7年厚生労働省令第117号)第2条(試験系の定義)・第11条(標準操作手順書)・第16条(生データ)・第17条・第18条
・医薬品医療機器等法施行規則(昭和36年厚生省令第1号)第43条第1号〜第3号(申請資料の信頼性の基準)/ICH M3(R2) 国内通知(平成22年2月19日 薬食審査発0219第4号)
・FDA General Considerations for the Use of New Approach Methodologies in Drug Development(Draft Guidance・2026年3月18日公表)/FDA Roadmap to Reducing Animal Testing in Preclinical Safety Studies(2025年4月公表)/P.L.117-328 第3209条
・Directive 2010/63/EU/EMA/CHMP/CVMP/JEG-3Rs/450091/2012(3Rs試験法の規制受容の原則)/OECD Guidance Document No.34/ISO/TC 276/SC 2(Microphysiological systems and Organ-on-Chip)


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