高分子絶縁材料技術とその実例・評価

¥71,280 (税込)
  • 発刊日2010年3月19日
  • 体裁B5判上製本 462頁
  • 発行サイエンス&テクノロジー(株) 送料無料
  • ISBNコードISBN978-4-903413-81-5

有機高分子材料は、現代社会のさまざまな処で多用されている。特に電気絶縁にとって高分子は欠くことのできない重要性を持っている。

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発刊日2010年3月19日
体裁B5判上製本  462頁
価格(税込)71,280円 (税込) [ポイント還元 3,564ポイント~]
定価:本体64,800円+税6,480円
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ISBNコードISBN978-4-903413-81-5

第1章 高分子の電気絶縁性のメカニズム 1節 電気絶縁性高分子の誘電性 1.内部電界と外部電界 2.誘電分極の種類 2.1 電子分極 2.2 原子分極 2.3 双極子分極 2.4 界面分極 2.5 空間電荷分極 3.複素誘電率 3.1 交流電界下での誘電率 2節 電気絶縁性高分子の導電性 1.電気絶縁性高分子の導電現象 2.バルクでの電導に関するモデル 2.1 バンド電導 2.2 プール・フレンケル電導 2.3 空間電荷制限電流 2.4 ホッピング伝導 3.電極からのキャリア注入に関するモデル 3.1 ショットキー電導 3.2 トンネル電流 3節 高分子の絶縁破壊とその理論 1.絶縁破壊の基礎理論概観 2.真性破壊 2.1 単一電子近似 2.2 集合電子近似 3.電子なだれ 4.ツェナ破壊 5.熱破壊 5.1 定常熱破壊 5.2 衝撃熱破壊 6.電気機械破壊 4節 放電現象と絶縁劣化 (1) 部分放電劣化 (2) 電気トリー劣化 1.電気トリー劣化の研究における歴史的背景 2.電気トリー劣化の研究に関する近年の動向 3.電気トリーの形状の分類 4.トリーの発生および進展 4.1 電力機器および電力ケーブルにおけるトリーの発生 4.2 トリー発生電圧と針電極の先端曲率半径の関係 4.3 トリー発生に及ぼす印加電圧の種類(直流、交流、インパルス)の影響 5.トリーの発生・進展の機構 6.電気トリーのシミュレーション 7.水トリーからの電気トリー誘発機構の研究 8.トリー発生・進展機構におよぼす高分子材料の高次構造の影響 9.トリー発生の抑制 10.複合絶縁材料中の電気トリー劣化 10.1 ミクロ的界面における電気トリー劣化 10.2 マクロ的界面における電気トリー劣化 (3) 水トリー劣化 1.水トリー 2.水トリーの誘電率と導電率 3.水トリーの成長機構 5節 その他の絶縁劣化 (1) トラッキング劣化 1.トラッキングの形成過程 2.耐トラッキング性の指標 3.耐トラッキング性に影響を及ぼす要因およびトラッキングの抑制対策 4.劣化の例 4.1 屋外絶縁用高分子材料 4.2 電源プラグ 4.3 プリント基板 (2) イオンマイグレーション 1.イオンマイグレーションと絶縁信頼性 2.イオンマイグレーションの発生メカニズム 2.1 陽極における金属の溶解 2.2 金属イオンの移動 2.3 金属の析出 2.3.1 陰極で析出する場合 2.3.2 陽極近傍で析出する場合 2.3.3 プリント配線板の内部で析出する場合第2章 高分子絶縁材料の種類と電気的物性の実例 1節 汎用合成高分子絶縁材料 (1)エポキシ樹脂 1.電気絶縁材料用エポキシ樹脂の種類と特徴 2.硬化剤と添加剤 3.電気的物性 3.1 誘電率 3.2 絶縁破壊強さ 3.3 V-t特性 3.4 耐トリーイング性 3.5 耐トラッキング性 3.6 耐アーク性 4.製造方法と用途 (2)フェノール樹脂 1.フェノール樹脂の基礎 2.電気絶縁材料用としてのフェノール樹脂 3.電気絶縁材料としてのフェノール樹脂成形材料 4.プリント配線板用紙基材フェノール樹脂銅張り積層板 5.半導体封止用ポキシ樹脂成形材料の硬化剤としてのフェノール樹脂 (3)ポリウレタン電気絶縁材料 1.ポリウレタンの構造 2.封止材料 3.エナメル線用電気絶縁塗料 2節 耐熱性高分子絶縁材料 (1)ポリイミド樹脂 1.製法と構造 2.一般特性 2.1 機械的性質 2.2 熱的性質 2.3 電気的性質 2.4 化学的性質 2.5 耐薬品性 3.形態とその用途 3.1 フィルム 3.2 成型品 3.3 ワニス (2)その他の耐熱性高分子絶縁材料 ~液晶ポリマーの特徴とその開発動向~ 1.液晶ポリマーとは 2.工業化の歴史と市販グレード 2.1 タイプI 2.2 タイプII 2.3 タイプIII 3.原料および製造方法 4.LCPの物性 4.1 レオロジー特性と成形性 4.2 異方性 4.3 線膨張係数 4.4 寸法安定性 4.5 耐熱性 4.6 機械的特性 4.7 ウエルド強度 4.8 電気特性 4.9 発生ガス 4.10 吸水率 4.11 ガスバリア性 4.12 耐薬品性 4.13 耐熱水性 4.14 内部損失(tanδ) 5.市場、用途及び開発動向 5.1 市場 5.2 用途 5.3 開発動向 5.3.1 LCPの高性能化 5.3.2 LCPの高機能化 5.3.3 LCPの高付加価値化 6.環境適合性 3節 その他の高分子絶縁材料 (1) 生分解性高分子の電気特性 1.電気特性の測定例 1.1 誘電特性 1.2 導電特性 1.3 絶縁破壊特性 1.4 耐部分放電性 1.5 耐水性 1.6 結晶性が電気特性に与える影響 2.ブレンド試料の特性 3.実用性の検討 (2)高分子ナノコンポジット(有機・無機ナノコンポジット) 1.機械的特性、成形性、熱的特性 2.誘電特性 3.電気伝導特性 4.空間電荷挙動 5.短時間絶縁破壊 6.長時間絶縁破壊と耐トリー性 7.耐部分放電(PD)性、耐トラッキング性 4節 特殊環境下で使用される高分子絶縁材料 (1) 極低温環境下で使用される高分子絶縁材料 1.液体窒素/高分子絶縁材料複合系(浸漬冷却系) 2.極低温/真空/高分子絶縁材料複合系(伝導冷却系) (2) 真空環境下で使用される高分子絶縁材料 (3) 放射線環境下 1.放射線で引き起こされる高分子の化学反応 2.高分子材料特性に対する放射線照射環境の影響 2.1 放射線酸化の影響 2.2 放射線照射時の温度効果 3.放射線の種類(線質)の効果 5節 いくつかの高分子の電気的物性の実例 その1~4 その1・・・田中俊哉 その2・・・鈴置保雄 その3・・・穂積直裕 その4・・・大木義路第3章 高分子絶縁部材・製品からみた実例とその絶縁技術 1節 絶縁部材からみた実例とその絶縁技術 (1) 電気絶縁テープと粘着テープおよび電気絶縁フィルム 1.電線用絶縁テープ 2.電気絶縁金属素材(樹脂コート条;Fコート) (2) 電気絶縁ワニスおよび絶縁コーティング 1.絶縁ワニスの役割 1.1 電気絶縁性の強化 1.2 コイルの固着(接着) 1.3 その他 2.コイル機器の分類 3.ワニスの分類 3.1 含浸用ワニス 3.2 仕上げワニス 3.3 コア用ワニス 3.4 布管用ワニス 3.5 コロナシールド用ワニス 4.ワニスの組成 4.1 溶剤型ワニス 4.2 無溶剤型ワニス 5.使用方法と取り扱い 5.1 使用方法 5.2 取り扱い 5.3 処理条件の設定 5.3.1 ホットメグテスト 5.3.2 DSCによる発熱量 5.3.3 固着力の追跡 5.3.4 残留溶剤ガス濃度 6.ワニスの特性 6.1 一般特性 6.2 耐熱性 6.3 負の特性 6.3.1 適合性 6.3.2 ベアリング錆 6.3.3 その他 2節 電気機器からみた実例とその絶縁技術 (1) 産業用および鉄道車両用モータにおける絶縁技術 1.モータの種類と構造 1.1 モータの種類 2.モータの変遷・動向 3.モータ用電気絶縁の製造方法および材料 3.1 製造方法 3.2 絶縁材料 4.コイル絶縁の特性 4.1 耐熱性 4.2 電気的特性 (2) 低圧モータ用エナメル線における絶縁技術 1.モータの変遷 1.1 モータの小形・軽量化 1.2 絶縁材料の耐熱性向上 1.3 エナメル線の絶縁の変遷 2.巻線作業 2.1 手巻巻線作業 2.2 機械巻線作業 2.2.1 コイルインサータ方式 2.2.2 コイル集中巻方式 2.3 巻線作業におけるエナメル線の信頼性向上 2.3.1 エナメル皮膜の強度向上 2.3.2 滑り性の向上 2.3.3 耐プレス成形性の向上と導体の超軟性化 3.エナメル線における絶縁技術の今後の動向 (3) コンデンサにおける絶縁技術 1.フィルムコンデンサの種類と高分子フィルムの特性 2.油浸箔フィルムコンデンサへの適用事例 3.メタライズドフィルムコンデンサへの適用事例 4.蒸着紙電極コンデンサへの適用事例 5.フィルムコンデンサの今後の動向 (4) ケーブル/電線被覆における絶縁技術 1.CVケーブルの構造 2.架橋ポリエチレンの製造方法 3.CVケーブルの絶縁破壊特性 4.CVケーブルにおける

大木義路 早稲田大学 鈴置保雄 名古屋大学 穂積直裕 愛知工業大学 岡本達希 (財)電力中央研究所 植原弘明 関東学院大学 水野幸男 名古屋工業大学 山野芳昭 千葉大学 清水敏夫 (株)東芝 稲冨茂樹 旭有機材工業(株) 古川睦久 長崎大学名誉教授 山下伸介 東レ・デュポン(株) 岡本敏 住友化学(株) 平井直志 早稲田大学 布施則一 早稲田大学 早川直樹 名古屋大学 瀬口忠男 元/日本原子力研究所 田中俊哉 (株)ビスキャス 桜井貴裕 (株)ビスキャス 加納義久 古河電気工業(株) 岡本俊英 日東シンコー(株) 井上良之 (株)東芝 妹尾正治 (株)日立産機システム 酒井亨 (株)日立産機システム 梶川裕二 日立マグネットワイヤ(株) 萩原修哉 (株)日立製作所 板橋悟 日新電機(株) 山極時生 (株)日本AEパワーシステムズ 岡本健次 富士電機アドバンストテクノロジー(株) 杉本榮一 (株)デンギケン 井上和弘 (株)東芝 宮内秀幸 篠原電機(株) 竹澤由高 日立化成工業(株) 小堺規行 住友大阪セメント(株) 森竜雄 名古屋大学 金子剛 元/(財)電気安全環境研究所[JET] 山崎孝則 日立電線(株) 渡邉英紀 元/東京都立大学 海老沼康光 湘南工科大学 田中康寛 東京都市大学 熊沢孝夫 中部電力(株) 津久井勤 リサーチ・ラボ ツクイ、元/東海大学 須賀茂雄 スガ試験機(株) 渡辺清 日立電線(株) 工藤久明 東京大学 加藤丈佳 名古屋大学

有機高分子材料は、現代社会のさまざまな処で多用されている。特に電気絶縁にとって高分子は欠くことのできない重要性を持っている。この高分子材料には劣化が避けられず、使用されているうちに物性の低下や変色、クラック、分解が生じ、絶縁機能が損なわれてしまう。 サイエンステクノロジー社は、高分子材料や、その劣化に限らず、種々の分野で広汎なテーマのセミナーを開催してきたと聞いている。同社が過去に開催した多くのセミナーの中で、高分子絶縁材料に関するセミナー、とくに、その劣化や寿命評価に関するセミナーが、極めて好評であったそうである。これは高分子絶縁材料の重要性や、絶縁劣化が社会に及ぼす影響の重大さを反映したものであろう。この本は、このような高分子絶縁材料の重要性に鑑みて、企画されたものと聞いている。 同社から、このテーマは、セミナーも好評であったので、書籍化したいという相談を受けたときに、私は、「好評であったことは喜ばしいが、要望や改善提案が寄せられていたら、そちらも積極的に取り込んだ本にしたい。」とお答えした。すると、「ひとつには、『基礎、あるいはメカニズムもきちんと知りたい。』という声と、『劣化の実例、あるいは材料試験法といった実際面を深く知りたい。』という意見が出されている」、との由だった。限られた頁数で、この2つの要望に応えるのは相当に難しいが、「ベストを尽くしましょう。」とお約束して、題目や執筆者案を考えさせて頂いた。 目次をご覧頂ければ分かるように、第1章では、誘電性や導電性といった絶縁材料の最も基礎的な特性から各種劣化特性までの広い範囲に亘って、メカニズムを専門家に平易に記述して頂いた。つぎの第2章では、汎用高分子から新しい高分子に至る多くの絶縁材料について、その物性を紹介して頂いた。第3章では、使用目的や使用されている機器別に絶縁材料と関連技術を述べて頂き、さらに第4章では絶縁材料の特性や劣化状況などを把握する為の計測・試験法について詳述して頂いた。さらに第5章では、昨今大きな関心を集めている絶縁材料の寿命評価や絶縁システムの取り替えのための手法やマネジメントについて述べて頂いた。 執筆者はいずれも、それぞれの分野で真に日本を代表する方々として、大学並びに産業界で活躍されている。したがって、本書の各章の内容は、最新の知識や学説を網羅した信頼性の高いものとなっている。なお、執筆者の多い書籍においては、時として、書かれている内容、難易度、言葉遣い等に統一性が欠けることがある。本書においても、勿論その恐れは残っているとは思うが、私が可能な限り読ませて頂き、必要と思える処には修正を求めるなど、一冊の書籍としてのまとまりにも気を配らせて頂いた。 本書は、必ずや高分子絶縁材料のユーザのみならず、開発者や研究者にとっても有用なバイブル的書籍となっていると信じている。 早稲田大学 大木義路

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