【 微生物管理方法としての処置基準および警報基準 (アラート・アクションレベル) 】
-これまでPIC/S GMP のAnnex1ではどのようにして管理するかの考え方を示していなかった。
現在改定中のAnnex1は今後無菌医薬品のグローバルスタンダードとして運営される予定でかなり
明確な管理概念を述べている。Annex 1の内容の深い理解は特に重要である-
Annex 1 Draft(2020)をベースにしてクリーンルームの環境微生物管理の
アクションレベル(処置基準値:ACL)およびアラートレベル(警報基準値:ALL)の管理について解説
Grade A~D のアクション・アラート基準値設定の問題点、微生物汚染のMAL/ACL/AALの管理方法、
超えた時の処理フロー、数値設定の考え方とは
【 環境モニタリングにおける「微生物迅速試験法」の活用と導入の価値 】
-環境管理を微生物迅速試験法で行なえば即時に監視が可能(従来法72時間)となることで
適切な清浄度が維持できているかをタイムリーに確認ができる-
「微生物迅速試験法最新情報と適用事例」、「バイオパーティクルカウンタ導入検討事例」を解説
微生物迅速試験法の導入における①企業活動における経済的価値(導入コスト)
②データインテグリティ確保の観点,③各種ガイドラインの動向の3点について考察
【 PIC/S GMP のAnnex 1 改訂ドラフトにおける製薬用水の要件 】
-製薬用水に関するGMP要件は欧州医薬品庁(EMA)が定めるEU GMPの影響が大である。EUやWHOでは
長い議論の末、非蒸留法によるWFI 製造を認めるようになった。これからは「超ろ過法」で製した
WFIの使用が一般化されていくものと思われる。-
非蒸留法を導入するにあたって参考にすべき内容である
「非蒸留法を認めるにあたって、EMAが出した「非蒸留法による注射用水の製造に係るQ&A:逆浸透及び
バイオフィルム並びに管理戦略」を著者の意訳にて紹介
✓ WFI製造システムの適格性評価には、どのようなアプローチを考慮すべきか?
✓ 適格性評価中及び運用中に、どのようなタイプのサンプリング体制を採用すべきか?
✓ 初期の適格性評価と日常運転のサンプリング中に、どのような試験を採用すべきか?
【 微生物管理における「査察・監査」の指摘傾向,リスクと具体事例 】
-FDA Form 483 の合計発行件数に対する微生物問題の件数の比率から計算すると
査察においては微生物管理の問題はそれなりの注目事項である-
・実施の主体組織(査察/監査)、対象となる製品のタイプ(無菌/非無菌)の2つ視点から
受ける側が見落としやすい指摘事項に注目して解説を解説
・無菌操作法により製造する医薬品での指摘事項の具体的事例
・ケースが少ない非無菌製品における指摘事例は著者の経験に基づき3つの事例を
状況/背景/対応に分けて解説
〈目次抜粋〉
第1章 医薬品GMPにおける微生物管理と試験の概要 ~3極の局方における国際調和~
第2章 エンドトキシン試験法を巡る最近のトピックス
第3章 微生物試験法における実施上の留意点と分析法バリデーション
第1節 エンドトキシン試験法 / 第2節 無菌試験法 / 第3節 微生物限度試験法
第4章 最終滅菌法による微生物管理 ~バイオバーデン測定と管理のための条件設定~
第5章 PICS/GMPの考え方に基づいた環境モニタリングにおける微生物迅速試験法の実施における留意点と活用方法
第6章 培地充填試験(プロセスシミュレーション)の留意点と許容基準
第7章 微生物の培養及び同定法
第1節 細菌 / 第2節 真菌
第8章 PIC/S GMPをふまえたリスクマネジメントの考え方に基づく微生物の汚染管理戦略
第9章 PIC/S GMPをふまえた微生物管理に必要な品質レベルと製造時におけるバリデーションの重要事項
第10章 PIC/S GMPをふまえた製薬用水の微生物管理 ~アラート・アクションレベルの設定~
第11章 PIC/S GMPをふまえた環境モニタリングによる要求基準値の把握~アラート・アクションレベルの設定~
第12章 査察および監査での微生物関連の指摘事項と対策 ~見落としやすい指摘の事例解説~
<本書より抜粋>
(第5章 PICS/GMPの考え方に基づいた環境モニタリングにおける微生物迅速試験法の実施における留意点と活用方法)
<武田薬品工業(株) 杉本 聡 / 協和キリン(株)森 充生 / ニッタ(株) 池田 卓司 /大阪大学 池松 靖人>
●……PIC/S(EU) GMPAnnex1 Draft2)が2020年2月に2nd Draft を発出したことで,今後さらに環境モニタリングを含む微生物迅速試験法の導入が進むと考えられる。かかる状況において,速やかに新しい技術を前提とした微生物管理の考え方を考察する必要がある。
特にPIC/S(EU) GMP Annex1Draf「t 9Viable and non-viable environment&process monitoring」の環境モニタリングの9.27や9.28等の考え方に基づき,環境モニタリングでの微生物迅速試験法の考え方を構築することが必要である。(省略)
事例の通り培養法(従来法)に加え,微生物迅速試験法を適切かつ積極的に活用することで製造工程における微生物管理の新たな価値創造に寄与できる可能性が示されたといえる。微生物迅速試験法の導入に関しては,これら有用性検証に加えて①企業活動における経済的価値②データインテグリティ確保の観点③各種ガイドラインの動向の3点についても考察を加えることにする。…………
(第11章 PIC/S GMPをふまえた環境モニタリングによる要求基準値の把握 ~アラート・アクションレベルの設定~ )
<ファルマ・ソリューションズ(株) 小暮 慶明 >
●……近年の新たに開発される無菌医薬品の多くは,無菌操作(aseptic processing)により製造されている。無菌操作による医薬製品は無菌化した(液体や粉体などの)医薬品バルクを無菌的な環境で扱うことが必要である。この時に無菌の製品および製品接触面の無菌性はその製造環境の清浄性の維持状態に大きく依存する。現在時点ではアイソレータやRABS であっても、製造作業中にグローブ操作などによるヒトの介在はゼロにできない。そのために、その無菌操作環境の浮遊菌や表面付着菌(特にグローブ)の微生物学的測定は製品の無菌性保証上の必須の要素となっている。……
非無菌医薬品の製造環境の管理概念は大きく異なるものである。非無菌医薬品では無菌医薬品の製造環境(GradeA ~D)
とは異なり環境に対する微生物学的な公的管理基準値は存在していない。……
本章では主として無菌操作による医薬品の製造環境の微生物管理を議論する。非無菌医薬品の製造環境の管理は6項において議論する。…………