Description
本講座(収録60分)は、臨床開発・薬事・データマネジメント・研究支援の各層に向けて、「なぜその症例数なのか」を説明できるようにすることを目的とした入門講座です。規制が求めているのは「何人にするか」という結果ではなく「どう決め、なぜその値を置いたか」という根拠であり、計算そのものは生物統計担当者の仕事でも、根拠を当局や倫理委員会に説明するのは試験を立てる側の仕事になります。まずGCP省令 第7条第1項の13号に被験者の数を名指しする号がないことを確認し、ICH E9 3.5が計算の方法・見積値(分散、平均値、反応割合、イベント発生率、検出すべき差)・その根拠を治験実施計画書に定めておくべきとしていること、臨床研究法施行規則 第14条も同じ構造をしていることを押さえます。続いて症例数を決める4つの入力(検出すべき差・ばらつき・第一種の過誤・第二種の過誤)を整理し、差を半分にすると必要数が約4倍になること、検出力80%は5回に1回見逃す設計であること、5%は問いの数だけ分け合う資源であることを具体的な比で示します。第3章ではアウトカムの型(連続量・二値・生存時間)ごとに見積もるものと設計の基準が変わること、生存時間では基準が人数ではなくイベント数であることを扱い、ICH E9(R1)補遺に基づき脱落率による機械的な割増しが常に必要とは限らない点を確認します。第4章では前提が外れたときに検出力が設計値を下回る仕組みと感度分析の示し方、統計家に何を渡し何を受け取るかを整理し、第5章ではICH E20(適応的デザイン)の5つの型、群逐次デザインの代償、多重エンドポイントと非劣性試験までを解説します。
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講座のポイント
規制が求めているのは「何人にするか」ではありません。GCP省令第7条第1項の13号を見ても、被験者の数を名指しする号はありません。求めているのはICH E9 3.5——「被験者数を計算する方法は、計算に用いる見積値とともに治験実施計画書に定めておくべきである。また、これらの見積値の根拠も示すべきである」。計算は統計家の仕事でも、根拠を説明するのは試験を立てる側の仕事です。本講座(収録60分)は、数式ではなく「決め方」を扱います。
収録内容
■第1章 症例数の「根拠」は誰が求めているのか
・症例数は、統計の話である前に説明責任の話である/GCP省令は「被験者の数」を名指ししていない
・求めているのは ICH E9 ― 方法と見積値と、その根拠/臨床研究法の側も同じ形をしている
・「何人か」ではなく「どう決めたか」を書く/ケース:症例数の根拠を問われて答えられない
■第2章 症例数を決める4つの入力
・5つのうち4つを決めれば残る1つが決まる/検出すべき差 ― 「意味のある差」は統計が決めない
・ばらつき ― 見積りの出どころ/第一種の過誤 ― 5%は分け合う資源である
・第二種の過誤と検出力 ― 80%が意味すること/p値が答えていること、答えていないこと
■第3章 アウトカムの種類で何が変わるか
・3つの型 ― 連続量・二値・生存時間/連続量 ― 標準偏差が効く/二値 ― 差で見るか、比で見るか
・生存時間 ― 基準になるのは人数ではなくイベント数/追跡期間と登録期間が人数を動かす
・割付比を1対1から変えるとどうなるか/脱落をどう見込むか/ケース:イベントが集まらない
■第4章 見積りが外れたらどうなるか
・症例数計算は「仮定の上に建つ」/感度分析 ― 1つの数ではなく幅で示す
・検出力が設計値を下回るのはどういうときか/保守的に置くことの費用
・統計家に何を渡し、何を受け取るか/ケース:中間で検出力が足りないと分かった
■第5章 【最新】途中で変える設計と、複数の問いを立てる設計
・適応的デザインが扱う5つの型/症例数の適応/群逐次デザイン ― 早く止める設計の代償
・多重エンドポイント/非劣性試験 ― なぜ人数が大きくなるのか/あらかじめ決めておくことが前提
■第6章 まとめ
・本教材のまとめ(第1〜5章の要点)/終章:参考文献と出典一覧
受講後、習得できること
・GCP省令第7条第1項に被験者数を名指しする号がないことを説明できる
・ICH E9 3.5が求める「方法・見積値・その根拠」を計画書に落とせる
・臨床研究法施行規則第14条も同じ構造であることを整理できる
・症例数を「数」ではなく「前提の一覧」として説明できる
・4つの入力(差・ばらつき・第一種の過誤・第二種の過誤)の役割を区別できる
・検出すべき差を臨床側が決めるべき理由を説明できる
・差を半分にすると必要数が約4倍になることを踏まえて設計できる
・第一種の過誤5%が問いの数だけ分け合う資源であることを説明できる
・「検出力80%=5回に1回は見逃す」を関係者間で共有できる
・p値が答えていること・答えていないことを区別できる
・アウトカムの型で見積もるものが変わることを説明できる
・生存時間では必要イベント数が基準であることを説明できる
・ICH E9(R1)補遺を踏まえ、脱落の機械的な割増しの是非を判断できる
・感度分析で必要数の幅を示し、審査での議論の土台をつくれる
・統計家に渡すもの・受け取るものを整理して依頼できる
・ICH E20が未確定の草案であることを踏まえて動向を読める
本テーマ関連法規・ガイドラインなど
・「臨床試験のための統計的原則」について(平成10年11月30日 医薬審第1047号)別添 3.5 必要な被験者数
・「臨床試験のための統計的原則」の補遺について(令和6年6月20日 医薬薬審発0620第1号/ICH E9(R1)・Step 4 到達 2019年11月20日)A.4
・医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第28号)第7条(治験実施計画書)第1項第一号〜第十三号
・臨床研究法施行規則(平成30年厚生労働省令第17号)第14条(研究計画書)第9号「統計的な解析に関する事項」
・ICH E20 ADAPTIVE DESIGNS FOR CLINICAL TRIALS(Step 2b・CHMP採択 2025年6月19日/2026年8月22日現在 Step 4 未到達)/FDA Multiple Endpoints in Clinical Trials(2022年10月21日)・Non-Inferiority Clinical Trials to Establish Effectiveness(2016年11月8日)







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