■講座のポイント データインテグリティに関する関心が高まっています。しかしながら、多くの企業ではデータインテグリティ対応が不十分であったり、間違っているケースが見受けられます。例えば、データインテグリティ対応は電子記録に対して実施するものと考えている企業が大半です。また、セキュリティや監査証跡機能を追加すればデータインテグリティ対応が出来ていると思い込んでいる企業も少なくありません。本セミナーでは、データインテグリティの誤解と要点について、実例をもとに分かりやすく解説します。
■受講後、習得できること
・データインテグリティの正しい定義と、ALCOA+原則の実務的な理解
・電子記録・紙記録を問わない全データへの適用範囲の把握
・セキュリティ・監査証跡「だけ」では不十分な理由と正しい対応策
・FDA・MHRA・PIC/Sガイダンスに基づく規制要求事項の理解
・自社のデータインテグリティ体制を見直すための実践的な視点
■本テーマ関連法規・ガイドラインなど
・FDA Data Integrity and Compliance With Drug CGMP(2018年)
・MHRA GMP Data Integrity Definitions and Guidance(2018年)
・PIC/S PI 041-1 Good Practices for Data Management and Integrity
・21 CFR Part 11(電子記録・電子署名)
・EU GMP Annex 11(コンピュータ化システム)
■講演中のキーワード
・データインテグリティ(Data Integrity)
・ALCOA+原則(Attributable/Legible/Contemporaneous/Original/Accurate)
・電子記録/紙記録
・監査証跡(Audit Trail)
・セキュリティ(アクセス制御)
・データガバナンス
・CSV(コンピュータ化システムバリデーション)
・21 CFR Part 11 / EU GMP Annex 11
【監修】 株式会社イーコンプライアンス 代表取締役 村山 浩一
【主な略歴】
1986年4月
日本ディジタルイクイップメント株式会社(日本DEC) ソフトウェアサービス部 入社
GCP管理システム・症例データ管理システムの企画・開発担当(現ClinicalWorks/GCP/CDM)
改正GCP(J-GCP)に対応した標準業務手順書作成コンサルティング
製薬業界におけるドキュメント管理システム導入コンサルティング
1988年にATR(株式会社国際電気通信基礎技術研究所:京都府精華町)でニューラルネットの研究に携わる(研究補助員)
1999年2月
日本アイ・ビー・エム株式会社 コンサルティング事業部 入社
NYのTWG(The Wilkerson Group)で製薬業界に特化したコンサルタントとして研修
製薬企業におけるプロセス リエンジニアリング担当
Computerized System Validation(CSV)、21 CFR Part11 コンサルティング
2001年7月
IBM認定主幹コンサルタント
アイビーエム・ビジネスコンサルティングサービス株式会社へ出向
マネージング・コンサルタント
2004年7月
日本アイ・ビー・エム株式会社 退社
2004年8月
株式会社イーコンプライアンス設立 現在に至る。
詳しい経歴はこちら
村山浩一は、長年にわたり製薬・医療機器産業のコンプライアンス支援に携わり、500社以上の企業を支援してきた実績を持ちます。データインテグリティはGMP対応における重要テーマの一つであり、電子記録・紙記録を問わず正しく理解し実践することが求められます。本講座では、多くの企業が陥りがちな誤解を解きほぐし、ALCOA+原則に基づく実務的な対応策を分かりやすく解説します。
【関連の活動など】
- 日本PDA 第9回年会併催シンポジウム 21 CFR Part 11その現状と展望
- 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 基礎研究部会主催(東京)
- 東京大学大学院医学系研究科 臨床試験データ管理学講座などにて多数講演。など
【収録内容】
第1章 なぜデータインテグリティが重要か
・患者の安全性と製品品質を守るためのデータの信頼性
・データインテグリティが企業にとってハードな理由
(DIが企業文化に根付いていない/不適切なプロセスとテクノロジー/気付きの欠如)
第2章 データインテグリティの誤解
・誤解?:電子記録だけが対象である
→ データインテグリティの原則は紙記録・電子記録の両者に等しく適用される
・誤解?:改ざん=悪意のある不正行為
→ 意図しない変更(事故・ケアレスミス)もデータインテグリティ上の重大な問題
・誤解?:不正にのみ焦点を当てればよい
→ 日常的な誤操作・手順逸脱・意図した変更(教育不足による勘違い等)も対象
・データインテグリティに関するSOP作成の留意点
→ 全社のSOPにデータインテグリティの要素を体系的に盛り込むことが必要
第3章 データインテグリティとは
・GMP省令における文書・記録の完全性確保の要求事項
・データインテグリティの定義(データライフサイクルを通じた完全性・一貫性・正確性の確保)
・ALCOA+原則(Attributable/Legible/Contemporaneous/Original/Accurate+Complete/Consistent/Enduring/Available)
・データインテグリティ侵害の原因(習慣的側面・技術的側面)
・データインテグリティを脅かすリスクの例
(MS-Excel使用・データ入力・転記・計算・分析・保管・教育・タイムスタンプ異常)
・データインテグリティ問題が失われた際のインパクト
(FDA Warning Letters/EU SNC/輸入禁止措置/製造承認審査中止等)
・アウェアネス向上による継続的改善の重要性
・DIリスク管理の総合的枠組み(検出・特定・学習・監視)
第4章 規制当局の期待とは
・FDA査察事例(第31回国際GMP会議アテネ2007年):クロマトグラムの改ざん等の実例
・FDA・MHRAのデータインテグリティガイダンスの概要と経緯
(FDA 2018年ファイナルガイダンス/MHRA 2018年GXP版)
・PIC/S PI 041-1 Good Practices for Data Management and Integrity(2021年最終版)
・WHO Technical Report Series(2021年最新版)
・FY2025ワーニングレター増加傾向とデータインテグリティの継続的重要性