各章のポイント
▼第1章 適切な洗浄・洗浄バリデーション実施への基礎 -GMP及びValidationを徹底解説-
本章では、規制上の要求はあるが具体的にどのようにすべきかは各社判断に一任されている洗浄バリデーションについて、各社が自社対応に落とし込む際の判断の基盤となる内容を記す。GMP制定までの背景やGMP要素、昨今のライフサイクルを通したバリデーションの考え方への変化まで、筆者の観点も交え分かりやすく解説。
<ここがポイント>
◎各社判断に一任されている洗浄バリデーションについて、考え方の根幹を理解し自社判断の基盤を作る
◎GMP制定までの背景やGMP要素、昨今のライフサイクルを通したバリデーションの考え方への変化とは
◎洗浄バリデーションがなぜ必要なのか:背景から詳細に示し、理解を助ける
▼第2章 リスクマネジメントに基づく洗浄・洗浄バリデーション
-リスクスコア化具体例、PDE/ADEからのリスク評価事例、ワーストケースアプローチ等-
本章では,リスクマネジメントの考え方を実際の洗浄・洗浄バリデーションに取り入れるために必要な基礎知識、それに基づく洗浄・洗浄バリデーションの取り組みと、洗浄バリデーションを効率的に行う手法の1つであるワーストケースを基本とした考え方について言及する。
どんな特性をもってワーストケースと判断すればよいのか?科学的な妥当性をもって明確とするには?具体的に言及する。
<ここがポイント>
◎製剤開発・製造現場で頻繁に使用されるFMEAやPHAによるリスク分析例や各リスクの内容
◎パラメータ-、スコア化の具体的な例、PDEやADEを基としたリスク評価と事例等
◎ワーストケースの判断基準:科学的な妥当性をもって明確とするための考え方とは
例)・溶解度と毒性をワーストケースの判断基準として考えた例
・実際に原薬の溶解度を基に各装置に対するワーストケースの製品を選択した例
・原薬の溶解度がワーストケースにならなかった例
等
▼第3章 各国規制文書の「洗浄・洗浄バリデーション」比較
洗浄・洗浄バリデーションにおける各国規制要件は、ここ数年間に2つの大きな変化が加えられている。
1つはライフサイクルを通した考え方であり、もう1つが残留限度値の設定に毒性評価結果を取り入れることである。
本章では、洗浄・洗浄バリデーションに関する各国の規制文書と主なポイントを紹介する。
<ここがポイント>
◎洗浄・洗浄バリデーション関連の規制要件を筆者の見解をふまえ分かりやすく明示
◎本章では筆者判断の元ポイントとなる箇所のみ言及し、掲載しきれない範囲については情報源を全て記載
(最新情報を入手したい場合の筆者の推奨の情報源等、すぐにお役立ていただけます)
▼第4章 洗浄バリデーションマスタープランと関連文書作成のポイント
-マスタープラン・実施計画書/報告書・指図記録書・Logbook及びデータインテグリティ-
本章では、実業務で必要となる様々な文書の内容・作成のポイントについて解説する。
洗浄バリデーションの第1歩となる明確な方針(Plan)を定めた洗浄バリデーションマスタープラン、洗浄作業や洗浄バリデーションに係る各種標準作業手順書(SOP)、実施のための計画書(プロトコール)、指図記録書原本(Master Batch Record)、各種装置の使用記録(Logbook)、最終的に実施したバリデーションの結果に対する報告書(レポート)等、文書作成における留意事項・コツを筆者の経験をふまえ紹介。
<ここがポイント>
◎GMP上要求される作成文書/記録関連について、「洗浄バリデーション」に特化した観点から解説
◎実際の作成時にイメージしやすいように、各種文書の構成例・記載すべき内容例を示す等、各種文書において実際の作成を助ける著者の工夫が満載!
▼第5章 洗浄・洗浄バリデーション実践における13の検討課題
本書の要ともなる本章では、洗浄バリデーション実施における課題に【具体的に】言及する。
洗浄性・検出性に影響を及ぼすリスクは様々ある。洗浄対象となる装置(装置毎のSOP)、洗浄環境(専用ライン、共用ライン)、洗浄実施者(教育訓練)、サンプリング(Swab法、Rinse法他)、残留評価法(HPLC、TOC他)、洗浄手順(CIP、COP、マニュアル他)、洗浄タイミング(DHT、CHT)、洗浄に関わる規制(対象、残留限度値他)、洗浄条件(洗剤、溶媒の使用他)、施設・設備の構造・材質、キャンペーン生産、etc…
これら各種が及ぼす影響をどう考え、どう対応していけばよいのか、多くの文献や実例・経験をふまえ言及する。
手順構築・実施において検討すべき13項目について、何を根拠に、どう対応すべきか、著者らの経験と関係資料をふまえ議論を展開!
【検討事項1】洗浄バリデーションの準備はいつスタートするのか
【検討事項2】専用設備と共用設備の洗浄バリデーション
【検討事項3】残留性評価対象とは何か
【検討事項4】どの洗浄方法を採用するか
【検討事項5】洗浄剤利用における課題
【検討事項6】4つのホールドタイム(Hold Time)とその設定方法
【検討事項7】残留限度値設定とその計算方法
【検討事項8】残留物のサンプリング -サンプリングが洗浄バリデーションのKey-
【検討事項9】残留物の評価方法(リスクと機器分析)
【検討事項10】残留性評価方法としての目視基準と利用に向けた課題
【検討事項11】キャンペーン生産への対応
【検討事項12】連続生産における洗浄・洗浄バリデーション
【検討事項13】再バリデーションとContinued Process Verification
▼第6章 5つの製造現場における洗浄バリデーションの実際
-原薬・無菌製剤・半固形製剤・高活性物質・CMO-
より実際の現場状況を考慮した観点から言及するため、本章では5つの製造現場(原薬製造工場,無菌製剤製造工場,半固形製剤製造工場,高活性物質取り扱い工場,CMOにおける洗浄バリデーション)に焦点を当て,
それぞれの現場における洗浄・洗浄バリデーション実施上の特有事項・課題について紹介する.
<ここがポイント>
◎実際の各製造ラインの特徴をふまえた上で、残留物の評価対象やサンプリング法、残留限度値の考え方まで、洗浄方法・バリデーションを具体的に検討。
・【原薬】:洗浄確認が難しい配管やポンプに対しどのように洗浄バリデーション及び洗浄確認を実施するか?
配管類の洗浄法、反応釜内のサンプリング場所例等も提示
・【無菌製剤】:洗浄により微生物数を減らすのではなく,洗浄後の微生物管理が重要となる
・【半固形製剤】:Fourmanらの式をそのまま適用できないケースでの残留限度値計算の考え方とは?
・【高活性物質】:エリア内のどこまでを洗浄バリデーションの対象とすべきか?作業位置変更により作業者の暴露低下できた経験例も紹介
第7章 指摘事例と経験から導くFDA査察「洗浄・洗浄バリデーション」の実態
-PMDAとFDA当局における相違-
査察では洗浄・洗浄バリデーションの何が見られるのか?各規制当局の要求は?事前準備や当日対応のポイントは?
本章では、FDA/PMDAそれぞれの査察の法的根拠・関連規制文書を紹介した後、筆者の経験に基づき対応のポイントを具体的に解説。
査察での事前準備から当日対応、しばしば査察時に直面する問題・トラブル等、経験則より言及する。
<ここがポイント>
◎実際に幾度も査察対応している筆者経験から、スムーズな査察対応のコツを紹介
◎査察官から事前要望された資料や実際の査察室の例等、具体的に言及
◎査察中に回答者や関係者が留意すべき事項とその対応、起こりがちなトラブルとは
▼第8章 【実現場からの質問】洗浄バリデーション関連の116のQ&A
洗浄・洗浄バリデーション関連の担当者から実際に寄せられた質問に筆者が回答。
残留限度値の計算、PDE値の設定(毒性)、ホールドタイム設定、サンプンリング方法・箇所や回収率の判定基準……等々,具体的な製造現場の悩みを深堀する。
<提示の一例>:※全質問はページ下部の目次を参照ください
【残留限度値】
●毒性学的評価をメインに設定するべきか、従来の評価項目(10ppm、0。1%など)に追加すべきか?
●4つの基準の中の最も厳しい値を採用した場合、当局からその根拠を求められたことはあるか?
●毒性情報がLD50のみの場合、どのように許容値を算出すればよいか?
●個々の品目のPDE設定に関して、毒性学者による設定が難しい場合、算出に用いた根拠の資料等を残すことで対応は可能か?
●仮にPDEを採用して安全係数をかける場合、その安全係数についても根拠が求められるのか?
●毒性データに基づく残留許容値の場合、F1,F3は動物実験データにより係数を設定するが、F4についても同様に動物実験データから係数を設定すればよいのか?
●非接触部分の残留評価を行う場合、許容値の設定(飛散性の評価基準、洗浄後の評価基準)はどのように設定するべきか?
●接触総表面が大きくなり、検出限界以下の限度値となることが実際にある。この場合,どのように対応すべきか。
●CMOのため、製販からPDE値を提供されないケースが多く、長期収載品の場合はインタビューフォームに毒性試験の情報が十分に掲載されていないことが多い。
PDE値が得られない場合でも、カテゴリー4以上のものについてはPDEを用いた基準値設定を行うべきなのか?
●現状設定している洗浄方法では限度値をクリアできない場合の対処法について知りたい。
例:同一ラインでの製造品目が増えること等で徐々に低下していく残留許容限度値が,過去実施したCVの結果を下回ってしまった場合の対処はどうすれば良いか.
…………(etc)
【ホールドタイム(CHT/DHT)】
●CHT,DHTを確実に設定すべき設備とそうでない設備の基準とは。
●CHT,DHTはValidationとして実施する必要があるか?明記されたGLはあるのか?
●多品目を製造するための治験原薬設備におけるCHT・DHTの条件設定に向けた考え方とは
●DHTにキャンペーン期間も考慮する場合、管理戦略をどのように考えたらよいか?
●CHTの検証は、菌の評価及びTOC等の評価で問題ないか?
●CHT設定において、3回の連続したデータが必要となるか
●もし、CHTを逸脱(オーバー)してしまった場合、どのような対応が必要になるか。
●DHT設定において、当社での洗浄方法が以下の場合……中略……当局からの査察指摘可能性や、DHT設定回避のための妥当理由等知りたい
●オートクレーブ滅菌の前にWFI洗浄した器具のCHTの設定を検討している。器具保管後の清浄性を調査しようと思うが,どのような評価項目を設定すればよいか。評価の考え方や選定方法についてアドバイスが欲しい。
…………(etc)
【回収率】
●スワブ法での回収率が悪い場合、補正係数をかけることをどの程度許容されるか?
●査察において、標準液による回収率の検討ではなく、製剤を使用した回収率の検討が必要との指摘を受けた。適切な対応を知りたい。
●回収率を測定する際に、当社ではSUS板に薬液を塗布・乾燥後、実際に使用するスワブ材及び抽出操作を行い回収率を測定しているが、塗布する溶液について、算出される残留基準値がHPLCで検出限界付近であるケースも多々ある。
この場合、抽出液の濃度はあくまでも想定される残留基準値を使用して行うのが良いのか?
●回収率について、当社で用いている製造設備の材質については数十種類存在しており、各製剤において、それらすべての材質に対して回収率試験を実施すると膨大な時間を要すことになる。最も望ましいのはすべての材質、すべての製剤に対して回収率を求めることだとは思うが、以下のワーストケースアプローチは可能であるか?
…………(etc)
【目視確認】
●「目視で清浄」について、どのように確認すべきか?その判定基準を洗浄作業員へどのように理解させればよいか?
●洗浄記録として、洗浄した記録は残しているが、洗浄後に目視確認をした記録まで残していない。本来、洗浄行為としては洗浄後の目視確認までを一連の作業とすべきであるか?
●ルーチン製造後の目視確認について,作業者の目視確認適格性を評価することは必須か?またどのくらいの期間で定期的に評価する必要があるか?
●スワブ結果では残留許容基準より十分低い値であったとしても,人によっては許容基準よりも低いレベルまで目視で検出できる場合がある.当該状況にて目視不適であった場合,その洗浄手順は不適とすべきか.
●バリデーションではなく“通常生産時の管理”として、目視確認した時に洗い残しがなくなるまで洗浄し、日常管理するというのは可能であるか?
…………(etc)
~その他、多くの現場からの質問が満載!~
●洗浄バリデーション実施時のスワブポイント外で不適になった場合の考え方について教えて欲しい。
●TOCまたはTCは、洗浄の有効性を評価する際に交叉汚染物質を検出するために許容される試験法であるか?
●製造装置のワーストケースはどのように考えるべきか?構造等を点数化しにくい装置についてどのようにリスク評価を実施するか?
●リンス法での洗浄時、液中の残留物を測定し、それが規定値になるまで行っている。(例:4回で適合したなら4回、5回目で適合したなら5回でよしとする)実際、これは受け入れられる考え方であるか?
●定期的洗浄有効性確認の実施要否を判断するために「期間」ではなく「モニタリング結果」により判断するという事例はあるか.また,その場合のモニタリング項目は何か.
●手洗浄はどのようにして標準化することが可能であるか?(例:こすり洗いの強さなど)
●キャンペーン製造数の検証回数について,他社の動向が知りたい.
…………(etc)