医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、平成25年3月27日に「EDCを利用した治験、製造販売後臨床試験及び使用成績調査に係る適合性調査等の実施手続きについて」と題する通知を発出した。本通知は、製薬企業等にEDCを利用した業務がどのように行われているかをまとめた「EDC管理シート」の作成、提出を求めるものである。
PMDAは、2009年10月から、EDCを利用した治験等の資料を確認する際、「EDC調査チェックリスト(案)治験依頼者用」及び「EDC調査チェックリスト(案)医療機関用」を使用し、適合性調査を実施してきた。「EDC管理シート」は、EDCを利用した業務のプロセスを効果的かつ効率的に確認することを目的として、「EDC調査チェックリスト(案)治験依頼者用」を見直したものである。すなわち「EDC調査チェックリスト(案)治験依頼者用」は、廃止されたことになる。
「EDC管理シート」は、適合性調査のチェックリストではなく、調査の事前提出資料であるため、その内容と記載方法を良く理解し、適切に記載を行わなければならない。しかしながら、「EDC管理シート」は、複雑で難解である。記載方法が不明確な点も多々存在する。また「EDC管理シート」では、ER/ES指針等を遵守するために必要な手順書等が定義されており、製薬企業はそれらの趣旨に従った手順書、マニュアル、教育用資料等の整備が必要である。
本書では、難解な「EDC管理シート」の具体的な記載方法を解説し、必要とされる手順書等を作成する際の留意点等をわかりやすく解説する。
■第 1 章 電子化のリスク
1. ライブドアの偽メール事件2. 電子化におけるリスクと厚労省ER/ES指針の要件3. ER/ES指針が求める真正性の要件
3.1 セキュリティ
3.2 監査証跡
3.3 バックアップ
3.3.1 バックアップはなぜ真正性の要件か?
4. 監査証跡は最後の砦である■第 2 章 EDCとGCP省令
1. EDCを利用する場合でも基準適合性調査の基本的な考え方は変わらない2. GCP省令第47条と課長通知■第 3 章 EDCに関する法令や規制要件
1. 電子署名法とは
2. e-文書法とは
2.1 e-文書法概要
2.2 保存と作成の関係
3. 厚生労働省令第44号とは
3.1 e-文書法と厚生労働省令第44号
3.2 厚生労働省令第44号の構成
3.3 趣旨
3.4 定義
3.5 保存
3.6 作成
■第 4 章 EDCを使用した場合の適合性調査
1. PMDAが行う信頼性調査の根拠
2. EDCを利用した治験等に対する適合性調査
3. EDCが利用された試験に対する適合性調査の流れ
3.1 申請受付時
3.2 事前面会
3.3 適合性調査
■第 5 章 EDC管理シート概要
1. EDCに関する適合性調査の見直しとEDC管理シート
2. EDC管理シートとは
3. EDC管理シートの入手方法
4. EDC管理シートの構成と記載方法
5. EDC管理シートの適用範囲
6. EDC管理シートの作成及び提出
7. 運用手順シートの構成
8. 仕様実績シートの構成
■第 6 章 EDC管理シートの問題点
1. EDCシステム毎に作成する
2. ER/ES指針及びGCP運用通知(第26条 第1項)に基づいている
3. チェックリストではない
4. 当該申請に関する治験等のみとは限らない
5. 記載方法がわかりにくい
6. MS-Excelで作成されている
7. 用語の定義がない
8. 保存性に関して,終了後のみとなっている
9. 電子署名に含まれる情報に関して,実施中と終了後の区別がない
■第 7 章 運用手順シートの記載方法
1. システムの概要
2. 業務委託契約(EDCシステムの構築・運用,ヘルプデスクの運営等)
3. 電磁的記録利用のための要件
3.1 ER/ES指針3.1.
3.1.1 ER/ES指針3.1.1.
3.1.2 ER/ES指針3.1.2.
3.1.3 ER/ES指針3.1.3.
4. 電子署名利用のための要件
5. その他
6. 「治験等の実施中に発生したシステムの不具合及び運用手順の不遵守(重大なもの)」及び「従前の適合性調査において指摘された事項」及びその改善状況
7. EDC管理シート改訂履歴
■第 8 章 使用実績シートの記載方法
1. 使用実績シート
1.1 使用実績シートの記載の留意点
1.2 治験等の番号
1.3 システムの名称(バージョン)
1.4 治験成分記号,または製品名
1.5 治験等の名称
1.6 治験等の実施期間
1.7 調査対象申請資料に含まれる治験等
1.8 外部委託者
1.9 治験等の情報の設定内容に関するバリデーションの実施に関する手順
1.10 ユーザーの登録申請からIDパスワードの交付,ユーザーの確認,登録したユーザーの削除のための手順書
1.11 セキュリティに関するユーザーの教育訓練手順書