2026年2月2日、21 CFR Part 820は品質システム規則(QSR)から品質マネジメントシステム規則(QMSR)へ移行しました。FDAは「実質的に同等」と説明していますが、内部監査・サプライヤ監査・マネジメントレビュー記録の査察免除の削除、QSITの廃止とリスクベース査察への移行、海外施設への非通知査察の拡大など、運用は大きく変わります。
本書は、改正の経緯とFDA医療機器規制の歴史から、最終規則とパブリックコメントへのFDAの回答、QMSRの6つの要点、改正の勘所、ISO 13485:2016との差異(§820.35 記録の管理、§820.45 ラベリングおよび包装の管理など)、そしてサブパートA・Bの逐条解説まで、QMSR対応に必要な知識を体系的に解説した実務書です。
CSVからCSAへの移行がQMSR全体に与える影響や、非通知査察における記録提示の実務対応も取り上げています。
米国へ医療機器を輸出する企業の品質保証・薬事担当者、ISO 13485認証を取得済みでQMSRとの差分を押さえたい方に最適の一冊です。
はじめに
第1章 改正の経緯
1. CFR とは
2. 連邦広報による FDA の規則公示の手順
3. Part 820(QSR)改正の経緯
4. ISO 13485 の進化と QSR との類似性の高まり
5. FDA の国際調和のための努力
6. FDA の国際調和のための努力- MDSAP への参加
7. FDA 非通知査察制度の拡大と海外施設への影響
8. QSIT からリスクベース査察手法への移行
第2章 FDA の医療機器規制の歴史
1. 規制の起源と背景 :19 世紀後半~ 20 世紀初頭のアメリカ
2. 初期の規制体系の確立 :1906 年~ 1938 年の法整備
3. アメリカの行政制度と規制の特徴 : 三権分立と連邦制
4. 品質管理システムの始まり : 軍規格から工業規格へ
5. サリドマイド事件と規制強化 : 薬害がもたらした規制強化
6. GMP の発展と医療機器への適用 : 製造管理の重要性
7. 医療機器 GMP の確立と発展 : 設計品質の重要性
8. 欧州における医療機器品質システムの発展 : 規格の統一と法的裏付け
9. 国際規格への発展 :ISO 13485 の誕生
10. 品質システム規則 (QSR) の制定 : 設計管理の重視
11. QSR の構造と要求事項 :15 のサブパート
12. 国際調和への動き :ISO 13485 の改訂と各国の法整備
13. 新たな品質マネジメントシステム規則 (QMSR) への移行
14. コンピュータシステムバリデーション (CSV) からコンピュータソフトウェアアシュアランス (CSA) への進化
15. 査察手法の変遷 :QSIT の役割と廃止の背景
16. まとめ
第3章 QMSR 最終規則の公表
1. QMSR 改正の背景と目的
1.1. 国際的な規制調和の必要性
1.2. ISO 13485 の役割
1.3. 現行の QS 規則の課題
1.4. QMSR 改正の目的
1.5. 2026 年 2 月施行に向けた移行スケジュール
2. QMSR 改正の詳細な内容
2.1. ISO 13485:2016 の組み込み
2.2. 追加的な要求事項
2.3. 組み合わせ製品に関する要件
2.4. 適用範囲
2.5. CSA アプローチと QMSR の整合性
3. 主要な変更点
3.1. 用語の変更と明確化
3.2. 記録保持要件の変更
3.3. トレーサビリティ要件の変更
3.4. 設計管理の要件の変更
3.5. 製造管理とラベリング管理
3.6. その他の変更点
3.7. コンピュータシステム管理要件の現代化
4. 関連する規制要件
4.1. 既存の規制要件との関係
4.2. 非通知査察への対応要件
5. 企業への影響
5.1. 準備期間と移行戦略
5.2. MDSAP との関連
5.3. 費用と便益
5.4. CSV 体制から CSA 体制への移行計画
5.5. 非通知査察に対応した継続的コンプライアンス体制
6. 今後の展望
6.1. 規制の継続的な改善
6.2. ガイダンス文書の発行
6.3. 査察手法の進化とリスクベースアプローチ
7. パブリックコメントと FDA の回答
7.1. 全般的なコメント
7.2. 参照による組み込みに関するコメント
7.3. 定義に関するコメント
7.4. 品質管理システムの要件に関するコメント
7.5. 実施時期と移行戦略に関するコメント
7.6. その他の重要なコメント
第4章 QMSR の概要
1. QMSR の要求事項の基本的な考え方
2. 要点 1. QMSR の要求事項は実質的に QSR とほぼ同じである
3. 要点 2. ISO 13485:2016 をそのまま引用し、追加事項要求事項を加えたもの
4. 要点 3. QMSR の遵守 = ISO 13485:2016 の遵守に繋がるように設計されている
4.1. 国内規制との比較
5. 要点 4. ISO 13485 への追加的要求事項
5.1. 記録の管理に関する追加要求事項
5.2. ラベリングおよびパッケージに関する追加要求事項
5.3. UDI( 機器固有識別 ) に関する詳細な要求事項
5.4. トレーサビリティに関する特定の要求事項
5.5. 有害事象報告に関する特定の規定
5.6. 製品回収に関する詳細な要求事項
6. 要点 5. QMSR では「リスクマネジメント活動」の範囲が QSR よりも広がる
6.1. 製品の設計段階でのリスク管理
6.2. 製造プロセスにおけるリスク管理
6.3. 市販後のリスク管理
6.4. リスクマネジメントプロセスの特徴
6.5. QSR と ISO 13485 におけるリスクマネジメント
6.6. CSA におけるリスクベース思考との整合性
7. 要点 6. 記録
7.1. 電子記録とデータインテグリティ要件
7.2. CSA における文書化要件
第5章 QMSR 改定の要点
1. QMSR の構成と目次
2. 改正の要点
2.1. § 820.1 適用範囲
2.2. § 820.3 用語の定義
2.3. § 820.7 参照による組み込み
2.4. § 820.10 品質マネジメントシステムの要求事項
2.5. コンピュータシステムに関する要件の更新
3. 記録の管理 ( § 820.35)
3.1. § 820.35(a) 苦情に関する記録
3.2. § 820.35(b) 付帯サービス活動の記録
3.3. § 820.35(c) UDI の記録
3.4. § 820.35(d) コンフィデンシャルな記録の取扱い
3.5. 電子記録システムと CSA 要件
4. 機器のラベリングおよび包装の管理 ( § 820.45)
5. 記録に関する例外の削除
6. ドラフトルールからの変更点
7. 非通知査察における記録提示の実務対応
7.1. 非通知査察制度の拡大と背景
7.2. QSIT の廃止とリスクベース査察手法への移行
7.3. 非通知査察に対する実務的準備
7.4. 査察拒否のリスクと法的帰結
7.5. 今後の展望と対応戦略
第6章 ISO 13485:2016 との差異
1. 用語の定義
2. 適用範囲
2.1. トレーサビリティ要求の範囲
2.2. 設計管理の適用範囲
3. リスクマネジメント活動の範囲
4. ISO 13485:2016 の要求事項にないもの
5. 記録管理要求
5.1. CSA と ISO 13485 の記録要件比較
5.2. 苦情に関する記録
5.3. 付帯サービスに関する記録
5.4. UDI に関する記録
5.5. コンフィデンシャルな記録の取扱い
6. ISO 13485:2016 と QMSR の全体的な対応関係
7. 各パートにおける対応関係
8. 新たな要求事項
8.1. コンピュータシステム管理における追加要件
第7章 QMSR 逐条解説
1. Part 820 – 品質マネジメントシステム規制 (QMSR) サブパート A – 総則
1.1. サブパート A の構成と概要
1.2. § 820.1 適用範囲
1.3. § 820.3 用語の意味
1.4. § 820.5
1.5. § 820.7 参照による組み込み
1.6. § 820.10 品質マネジメントシステムの要求事項
1.7. 生命維持装置に関するトレーサビリティ要求
1.8. 要求事項不遵守の場合の規定
2. Part 820 – 品質マネジメントシステム規制 (QMSR) サブパート B – 補足条項
2.1. 改正点の分析
2.2. § 820.35 記録の管理
2.3. § 820.40
2.4. § 820.45 機器のラベリングおよび包装の管理
3. サブパート C-O
3.1. サブパート C-O の位置づけ
3.2. 脚注 – 用語の使用について
3.3. 各サブパートにおける CSA 関連要件の整理